ゆとり世代の反撃 ――思いつくままに

立ち泳ぎながら 思いつくままに チラシの裏

今の市場は「ゆとり世代相場」なのか?【資産形成】

みなさんは「新人類相場」という言葉を知っていますか?

 

「新人類」(概ね1960年代生まれ)が大人になって金融市場に積極的に参加し始めた時期に起こった株高のことです。

ただ、明確な定義は無いようで。この株高をバブル形成期(1980年代後半~1991年)のことを指している場合もあれば、ITバブル(2000年前後)を言っているときもあるので、非常に曖昧な言葉です。それゆえにあまり知名度がないのでしょう。

 

新人類の方々にとって、バブル形成期は大体20~30代の社会に出始めた時期。ITバブルは30代後半くらい。収入が入り、周りの好景気も手伝って「株式投資でもやってみようか」という感じでしょうか?

1989年12月29日の日経平均最高値(38,957円44銭)から30年以上が経過して「失われた30年」と言われていますが、今年1月25日には終値で28,822円29銭をつけて、30年間の鬱憤が解消されつつある状況です。

 

「新人類相場」に倣って言うならば、今の上昇相場を「ロスジェネ相場」(※70年代生まれ)や「ゆとり相場」(※80年代後半~00年代前半生まれ)と呼べばいいんでしょうか?確かに、自分の周りでも運用に興味がある、やっている人は多いですし、各種メディアでも運用にまつわる情報は沢山出回っています。

 

では、こういう人たちはかつて好景気に酔った人たちと同じように不労所得に憧れて投資をしているんでしょうか?自分の答えはノーです。厚労省の調査(国民生活基礎調査)によると、世帯別の平均所得は1994年をピークに2013年まで右肩下がりなんです。

共働き世帯の数は上昇一途、消費税も上昇、最近は物価も上昇、ということを踏まえるといよいよ投資に回せる余剰資金なんてほとんど無いハズなんです。

 

それでも投資を行うのは、2つ理由があります。

1つは、技術革新や規制緩和などによってグローバル投資が容易になったことです。

株式投資のIT化、ネット証券の誕生、投資信託商品・販売会社の拡充で日本株以外への投資が簡単になりました。米国株なんて概ね右肩上がりで推移しているので、そちらに回したら儲かるかも、という考えは正しいと思います。また、長期運用への意識の高まりや各種税制制度も後押しになっているでしょう。

 

もう1つの理由は「生活防衛」としての運用意識です。

決して今がゆとりある生活ではない、しかし今ギリギリでも踏ん張って投資に回さなければ今後もっと厳しい生活を強いられる・・・そんな意識が根付いてきているのです。言わば背水の陣で運用を行っている感覚でしょうか。老後2000万円問題なんて今更言われなくても、というのが若者の本音です。

 

いま投資を行っている若年層は、決して余裕があるわけではなく、楽しいからしているわけでもなく、もっとシビアな生存戦略として投資に向き合っているといえます。だからこそ、周りの人は「楽しそうでいいね」なんて言わずに、そして当事者は正しい知識で、しっかりと地に足をつけて行わないといけませんね。

 

 

これから不定期ではありますが、我々ゆとり世代生存戦略として行うお金との向き合い方を紹介していきます。

インスタグラムの投資系アカウントのようにキラキラしたものにはなりませんが(笑)、お付き合い頂ければ幸いです。

f:id:tokeihira:20210201223833p:plain

ゆとりが生き残るために