【元彼の遺言状】際立つ主人公と緻密な作りこみ【読書】
今回読んだのは荒川帆立さんの「元彼の遺言状」です!
「このミステリーがすごい!」の大賞作品。今年の初めに発売されたものですが、やっと読むことが出来ました~
まず、初っ端5ページくらいで、一気に主人公の女性弁護士に惹きつけられます。でも終始そのキャラクターを貫くのかと思いきや、実は周りの人のことを誰よりも観察していたり、少し弱く落ち込む部分もあったり、弁護士らしい芯の強さもあったり。。。と、ミステリー小説でありながら、心の機微も楽しむことができました。
そして、「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という奇妙な遺言書。
その内容に振り回され、利益や想いを追求するそれぞれの姿。
己のため、そしてクライアントのために奔走する主人公。
最後に明かされる全貌は予想を覆す壮大なストーリー。
全貌を見てから、部分部分を読み返すと、より作品全体の緻密性を感じられ、二度も三度も面白い作品でした!
FPを少しかじった人間からすると
「そんな内容の遺言は認められるの?」「そもそも家裁の検認受けてないんじゃ」「遺言執行者決めていないと大変だよな」
なんて考えたりしてましたが(笑)
作者の新川さんは私と同世代で、弁護士をされている方とのこと。
半沢直樹シリーズの池井戸潤さんのように、自身の経験を基にした小説がこれからも出てくるのでしょうか?今後の作品もすごく楽しみですね!