FP1級実技の当日レポート(Part2)
さて、Part2です。Part1と同じように設例を読んでから面接室に案内されます。
Part1はこちらから↓
試験問題はこちら。2021年6月5日です。
試験問題:2021年6月1級実技試験 | 一般社団法人 金融財政事情研究会
案内「こちらの部屋です。ノックをしてお入りください」
コンコンコンッ
私(tokeihira、以下T)「失礼します」
入室。試験官は40代と50代くらいの男性2名。若い方がギラっとした目つきで若干の不安がよぎる。
T「tokeihiraです。よろしくお願いします」
試験官(40代男性、以下「試」)「どうぞおかけください。それでは私から質問させていただきます」
(若い方の男性が質問者で、さらに不安が増す)
試「Aさんに対して最適なアドバイスをするためには示された情報のほかに、どのような情報が必要か整理してお答えください。①Aさんから直接聞いて確認する情報、②FPであるあなた自身が調べて確認する情報をおっしゃってください」
T「はい。まずAさんから直接聞いて確認する情報は4つあります。1つ目は、相続により取得している土地ということですので、取得日や費用がわかるものはあるか確認します。」
試「どうやって確認する?」
(途中なんだけど、割り込んでくるの?)
T「残っていればですが、不動産の売買契約書です」
試「はい。他は?」
T「次に、土地への思い入れをお聞きします。そして」
試「質問するのはAさんにだけ?」
T「え、、いや、不動産経営のリスクやライフプランも含めて家族の了解があるかお聞きします」
試「はい。では次にFPが調べることは?」
T「まずは、現地確認をします。それから」
試「現地確認で見ることは?」
T「現地の・・・土地の形状や周辺の環境がどうなっているかです」
試「境界は見ないわけ?」
T「もちろん境界も見ます」
試「境界はどうやって分かるの?」
T「えっと、現地にマークがあったりするので、それを見ます」
試「それが正しいかどうかってどう分かるの?」
T「公図と見比べます」
試「公図はどこで手に入るの」
T「法務局でとります」
試「・・・はい。じゃあ他は?」
T「相場の確認をします」
試「それはどうやって?」
T「地元の不動産会社にヒヤリングして確認します。また今回話を持ってきているX社のことも信頼できる業者かどうか確認します」
試「権利関係は見ないの!?」
T「(いや、これから言うつもりだったけど)いや、法務局で謄本を取得して権利関係を確認します」
(このあたりで回答のテンポが狂って、どんどん早口になる)
試「はい、じゃあX社が乙土地も買い取りたい理由としてどのようなことが考えられますか」
T「容積率の制限が前面道路の広さに影響されるからです。甲土地単体だと前面道路が4mですが、乙土地と一体となれば前面道路が15mとなるので、その分床面積が広く取れます」
試「どれくらい変わるの?」
(え、具体的な計算も要るの!?「詳細な計算を行う必要はない」って書いてあるのに!してない!)
T「えっと、ちょっと待ってください」
(持ち込んだ電卓で計算する)
T「甲土地だけだと・・・1,200㎡・・・」
試「え?(圧)」
T「あぁ、、、違います(焦って建蔽率出してたぁ)」
T「甲土地は240%で、乙土地も含めると最大の500%まで大丈夫です」
試「甲土地だけで使うとしたら、特定道路の特例はどう?」
T「特例・・・?確かあったと思いますが・・・確かめてお答えします」
(注:特定道路による容積率緩和ですが、計算させられた焦りとなんとも言えない圧に負けて頭真っ白で気付いていません)
試「特例使うときには条件があるよね。接道の条件は何メートル?」
T「えっと、、、(ええい、当てずっぽうだ)4mか6m、だったかと、思いますが・・・確認させていただきます」
試「(露骨にイヤそうな顔で)うーん、4mでも6mでもないんだよ。まあしっかり勉強しておいてください」
(おぅ、終わったか・・・)
(注:学科のときに対策した容積率緩和も面接となるとまっったく出てこないことがあります)
試「Bさんが乙土地(借地権)を売らないと言った場合、どのような提案が考えられますか」
T「はい、Bさんはこの土地に住みたいと言ってますので、マンションを建てた後に、その1室をBさんに提供することを提案します」
試「Bさんは借入があるよね」
T「借地権の売却資金で返済して、」
試「借地権の評価額は?」
T「えっと、それは。。。こちらで確認してお答えさせていただきます」
試「ああ、時間が無いなあ。じゃあ等価交換方式を選択した場合のメリットを簡単に教えてください」
T「はい、等価交換ではデベロッパーが不動産の管理をするので、手間が無く、、、」
試「資金面のメリットはないの?」
T「ええっと、デベロッパーが建物を建てるので建設資金を準備したり借入をする必要がありません」
(答えているのに邪魔されるとテンポ狂うんじゃ~)
(このあたりで時間を知らせるベルが鳴る)
試「ああ・・・じゃあ、関係する専門家を名称だけ並べてください」
T「(名称だけ?)税理士、弁護士、不動産鑑定士、宅地建物取引士、司法書士、土地家屋調査士、測量士です」
試「はい、表題登記は誰がしますか?」
T「登記・・・司法書士です、かね」
試「うーん、違いますねえ。はい、じゃあ終わります」
T「ありがとうございました・・・」
一礼して立ち上がると
試「あのね、」
T「??」
試「もう少し端的に簡潔に答えた方がいいよ!?」
(次回受けるの確定、ってことですか・・・)
という、ズタボロのPart2でした。「圧迫面接あるよ!」とは聞いていましたが、ここまでとは。こっちは列挙して答えようとしているのに、合間合間で言葉を割り込ませてくるので、焦ってしまい途中からは文字通り頭真っ白でした。文才が無いのであまり圧が感じられない文章かもしれませんが、ここ数年会った人の中で一番会話が嚙み合わなかった人だった気がします。
これでも合格だったので、余程Part1の出来が良かったか(←考えにくい)、なんだかんだで点が入っていたかでしょうか。圧迫とは言え、冷静になって思い返すと誘導とも考えられるので、圧に負けずに「とりあえず黙らずに喋る!」を実践すれば何とかなる気がします(ただ、こんなレベルでFP1級を名乗っていいのか、という別の問題はありますが)。
しかし、発表までの1か月は「完全に終わった。面接で落ちるとかどんな顔して職場へ報告したらええんや。。。」「このまま落ち続けたらまた学科からか・・・」とブルーな状態が続いていました(ただ、数パーセントは合格率の高さに賭けてましたが)。
思い返すと、やはり準備不足が否めないと反省しています。事前勉強で自信をつけていれば、多少の圧にもめげずに対応できたのではと。
今後面接を受ける方は、圧迫でもめげない強い意志と入念な準備、そしてその場を乗り切る機転や柔軟性を持って向かってもらえたらと思います!!