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【四畳半タイムマシンブルース】未来の自分は現在をどう見てる?【読書】

少し時間が出来たということで、久しぶりに本を読んでおります~

今回は森見登美彦さんの『四畳半タイムマシンブルース』(2020)です!

夜は短し歩けよ乙女」と「四畳半神話大系」しか読んでいないニワカですが、のっけからの森見節で一気にテンション上がりました!


舞台は京都で、鴨川や京都大学(と明言はしていないけれど)が出てくるのは毎度おなじみ。そのためリアリティーは十分、でもその文体、表現によって、どこか浮世離れしているような、SFのような、そんな雰囲気がたまらないですよね。

「私」の自虐的な考え方、落ちぶれ方とその原因(結局は自分の所為なのである)、勇猛果敢な一面もありながら根本は臆病で心配性、、、とそんなところが自分の性格ともリンクするようで、知らず知らずのうちに応援し、自分を投影していることに気づきました。


「私」が昨日に行って、「昨日の私」が戦略的撤退をする様を見る場面。昨日は葛藤を抱えながら、半ば無理やり自分を納得させていたのに、落ち着いて客観的にみると思い直すわけですね。このグズグズ感も自分の姿のようで、楽しさ半分恥ずかしさ半分。。。(笑)

 

考えてみると、

自分の出した結論を、未来の自分が見たときに納得できるかどうか?

っていうのは大事だよなぁと。

個人的にはなるべく「そのときの自分が決めたことだから」と思うようにしているのですが、この文脈で思うときって大体消極的な結論を下したときなんです。それって物分かりが良いように装っているだけで、本当は「(昨日の)私」よろしく殻に閉じこもっているだけなんじゃないか。なんて。

未来の自分が納得するだけでなく、過去の自分を褒めてやれるくらい、いろんなことに取り組んでいけたらいいですね。


ところで本作は、アニメ版「夜は短し歩けよ乙女」「四畳半神話大系」の脚本を担当した上田誠氏の『サマータイムマシン・ブルース』を原案としているそうで。わたくしそちらを知らなくて・・・どうやらほとんど本作とあらすじは同じで、サマータイムマシン・ブルースがもし四畳半メンバーだったら、って感じみたいですが。

 

そういえばアニメ版見ていないなぁ・・・

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